守備を固められた相手を崩すのはやはりサイド攻撃が有効です。
そう思ったのは、15-16リーガエスパニョーラ、デポルティーボvsアトレティコ・マドリードの一戦。
アトレティコは守備を固めたデポルティーボから先取点をとり、試合が動きていきました。
今回は、このシーンからサイド攻撃の有効性について語ってみたいと思います。
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サイド攻撃の有効性について
サッカーでサイド攻撃が有効な理由は、中のスペースには敵のディフェンスが集中しているのに対して、サイドでは敵のディフェンスが薄くなっているからです。
サイドから攻撃をするればよりゴールに近いエリアまでボールを運ぶことができるし、相手のディフェンスの視線を逸らすことも可能になります。
ディフェンダーは中央から攻めてくる相手に対しては、ボールと攻撃してくる選手を同じ視線で見るのでマークしやすくなります。
でも、サイド攻撃をされると横目で攻めてくる選手とボールを確認すると同時にゴール前にいる攻撃の選手も見る必要があります。
サイドから攻めてくる相手に完全に目を向けてしまえば、他の攻撃の選手の動きは確認することもできなくなってしまいます。
なので、サイド攻撃をされると、攻撃をする選手のマークをすることが難しい状況になってしまいます。
デポルティーボの守り方
この試合はデポルティーボのホームでしたが、前半はアトレィコがボールをもって攻める機会が多く、デポルティーボは守備を固めていました。
デポルティーボは、前線に一人ルーカス・ペレスだけを残して、中盤を5人横に並べるような守備陣形をとっていました。
(青色がデポルティーボ、赤がアトレィコですが、マークの番号と背番号は一致していませんのでご了承下さい)
中盤の選手は、アトレィコがボールをもっているときにプレスには行きますが、それほど積極的ではありません。
最終ラインは、4人でラインをつくって、アトレィコの攻撃を跳ね返すという守備。
サイドから攻撃をカバーするために最終ラインに中盤から選手が一人下がってきて、5バック気味になることもあり、ものすごく慎重な守備をしていたのが、印象的でした。
アトレィコのサイド攻撃が活きたシーン
デポルティーボが守備を固めてきたのに対して、アトレィコはサイドを使った攻撃を展開していきました。
グリーズマンが中央でボールをもらって、左サイドのカラスコがボールをキープし、サイドバックのフィリペ・ルイスがオーバーラップを試みるという流れが続いていました。
アトレィコは右サイドでも、コケとフアンフランの2人でサイド攻撃を仕掛けますが、デポルティーボが3人でサイドをカバーしていたため数的優位な状況は作れずに苦戦する場面もありました。
しかし、時間が経つにつれてデポルティーボは中央のスペースを埋めるようになり、サイドにもスペースが生まれるようになりました。
そして、アトレィコが先取点を奪ったのが、前半34分。
コケが左サイドでボールをキープすると上手く反転し、デポルティーボのディフェンダーを交わしました。
コケは側にいたカラスコに縦パスを出しました。
カラスコの一度目のクロスはラウレに跳ね返されましたが、跳ね返ったボールが再びカラスコの足元へ。
そして、またクロスを上げると今度は、中にいたデポルティーボのディフェンダーに当たり、ボールがこぼれました。
このこぼれたボールをチアゴがペナルティアーク付近から蹴り込んでゴールが生まれました。
このとき、デポルティーボの視線はカラスコに向き、ペナルティエリアにはフリーなアトレィコの選手がいたし、シュートを打ったチアゴもフリーの状態でした。
この得点は、アトレィコのサイド攻撃がうまく活かされたシーンでした。
守りを固められてもサイドを有効に利用することで打開できるということが分かりました。
結果は1対1のドロー
サイド攻撃からデポルティーボのディフェンスをこじ開けたアトレィコでしたが、後半に1点を取られて引き分けになってしまいました。
1点を失ったデポルティーボは、後半から積極的に攻めるようになり、試合はみていて非常におもしろい展開となりました。
デポルティーボは前半は守って、後半に点を取りに行くというプランだったのかもしれません。
それから、アトレィコは守備を固められたときのサイドからの崩しもありましたが、もう一つはセットプレーで崩すというアイディアもありました。
特に、コーナーキックからの流れは、得点の可能性がありました。