15-16ブンデスリーガ第11節、ドルトムントはブレーメンに1-3で勝利しました。
この試合をみていて、ドルトムントのサイドバックが複雑な動きをしていることが話題になっていました。
確かにポジショニングや動きをみてみるとこれが、トゥヘル監督のやり方なんだなと感じました。
今回は、ドルトムントのサイドバックについて語ってみたいと思います。
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ドルトムントのサイドバックについて
サイドバックの役割が進化しているということは、以前このブログでも書いたんですが、ドルトムントのサイドバックもおもしろい動きをしていました。
タイミングよくオーバーラップをしてクロスを上げるだけが、攻撃時のサイドバックの仕事でないことが分かります。
サイドバックのポジショニング
ドルトムントのサイドバックは攻撃時には高いところにポジショニングをとって、ビルドアップに加わることがあります。
ドルトムントのビルドアップは、ユリアン・ヴァイグルがボールを保持したところから始まることが多いです。
ブレーメンはドルトムントに対して引いて守っていたので、ドルトムントのセンターバックはセンターサークル付近まで上がっていました。
その前にいてボールを回しているのがヴァイグルの役割。
ヴァイグルがボールを保持すると、ギュンドアンが近くに寄ってきてパスの受け手になります。
ギュンドアンは、右サイドにいるギンターにパスを出したり、縦に鋭いパスを入れたりして、攻撃を作っていきます。
このパターンが多いんですが、ヴァイグルに相手の選手がプレッシャーをかけてパスの出しどころがなくなると、今度は左サイドバックのパク・チュホがパスを受けにやってきます。
パクはボールをもらうとセンターバックにボールを戻して、危機を回避して、また攻撃を組み立て直していきます。
パクに縦パスを出せるセンスがあれば、もっとドルトムントの攻撃が幅広くなるんでしょうが、そこまでは要求されていないようです。
ドルトムントのサイドバックが高いポジショニングをとっていることで、ビルドアップのときにパスの受けてとなり、前線のムヒタリアン、マルコ・ロイス、オーバメヤンの流動的な動きを引き出す役割になっています。
ギュンドアンが右サイドのギンターにパスを出せば、相手のディフェンダーはボールを奪いにアプローチしてきますが、そのときムヒタリアンの動きを引き出すことができます。
そして、ワンタッチでムヒタリアンにパスを出してしまえば、プレッシャーがかからない状態でプレーをすることが可能になります。
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タイミングのいいオーバーラップ
ドルトムントのサイドバックの攻撃パターンの一つが、逆サイドからのクロスを直接折り返し、ゴール前の選手にパスをしてゴールを狙うことがあります。
香川真司が逆サイドに振ったボールをギンターがワンタッチでパスして、オーバメヤンが決めるシーンもありました。
こんなサイドバック動きもトゥヘルが率いるドルトムントの特徴。
ドルトムントは短いレンジのサイドチェンジも得意としているんですが、これをサイドバックの動きに合わることも訓練しているんでしょう。
正直これは、チームとしてこのやり方が浸透していないといけなし、相手のスキをついてタイミングよくオーバーラップをしないとできないことです。
カウンターを防ぐ動きも
ドルトムントはサイドバックが高い位置でプレーすることで、カウンターを防ぐ動きもみられました。
ブレーメン戦の前半43分、オーバメヤンがドリブルでペナルティボックス手前まで行きましたが、ブレーメンのディフェンダーにボールを奪われてしまいました。
ブレーメンはそこからカウンターを狙おうとしましたが、ギンターがブレーメン陣内で、ボールをカットするシーンがありました。
そこで、ギンターは後ろから来たブレーメンの選手にファールを受ると、そのセットプレーの流れからドルトムントの得点につながりました。
もし、ギンターがここでブレーメンのカウンターを阻止しなければ、ドルトムントはピンチになっていたし、この得点は生まれなかったでしょう。
これはギンターのいい判断だったと思いました。
まとめ
ドルトムントはサイドバックのポジショニングが高くなることで、選手間距離が近くなり、パスをうまく回せて攻撃につなげることができていると思いました。
レアル・マドリードのマルセロのように個人で突破してクロスを上げるような動きはありませんが、ドルトムントのサイドバックは戦術上の役割として重要な動きをしています。
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