サッカーをみているとゴールキーパーがボールを持った時に、前線へ大きく蹴り出す場合と、側にいる味方の選手(大抵はセンターバック)にボールを預ける場合があります。
これで攻撃をどこから組み立てようとしているのかというチームの意図が分かって、サッカー観戦の楽しみのひとつにもなります。
今回はビルドアップについて語ってみたいと思います。
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サッカーのビルドアップはGKの動きをチェック
サッカーでビルドアップといえば、「攻撃の組み立て」を意味しています。
一昔前までは、攻撃の組立をするのは、攻撃なミッドフィルダーで、トップ下とか司令塔と呼ばれていた選手。
日本代表では、ラモス瑠偉がその役割をしていました。
あの頃が懐かしいと思えるくらい古い記憶なんですが、その頃と現在では、それくらい攻撃の組み立て方が変化しているということです。
現在では、攻撃なミッドフィルダーが仕事をするエリアではプレッシャーがきつくなっているので、さらに後ろのミッドフィルダーが前線へボールを送る役割に変わってきています。
そして、さらに後ろのエリアからの攻撃の組み立てが必要になってきています。
つまり、センターバックにも攻撃の組み立てとなるパスを出せる能力が求められる時代になりました。
私は、センターバックから出される縦パスがビルドアップだと思っていたんですが、実はディフェンスとゴールキーパーの間で行われるパス回しもビルドアップの一部になっていることが分かりました。
このパス回しは、時間稼ぎとかボールを出すスペースがないからやっているわけではなく、前線の選手の動きを引き出すためにやっています。
ゴールキーパーにはパス回しに参加するための足元の技術が必要になってきました。
もたもたとパスをしていれば、当然相手のプレッシャーにさらされることになりますから、しっかりとキープして効果的にパスを出すセンスも必要です。
ゴールキーパーの動きをチェックすると、ボールをキープして素早くセンターバックにパスを出せば、後方からボールをしっかりとつないで攻撃を組み立ていこうとする意図が分かります。
そんなチームのゴールキーパーは、キャッチしたボールを下手投げでパスしますし、ゴールキックでも大きく前には蹴り出さずに味方の選手にパスをする場面もあります。
これをみているとビルドアップはゴールキーパーから始まっているんだなと感じることができます。
次にバルセロナのビルドアップについてみていきます。
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バルセロナのビルドアップ
バルセロナは、ゴールキーパーからしっかりとボールをつないで攻撃を組み立ていくチームの代表格ともいえます。
バルセロナのビルドアップは、ボールを持ったら、ブスケツが下りてきます。
センターバックのマテューとピケはサイドに開いて、両サイドバックは、高い位置に上がって、前線の選手と一緒に攻撃に加わるようになっています。
攻撃のときは、ブツケツがディフェンスラインに加わり、3バックのようになっているが特徴です。
マテューやピケがサイドに開くのは相手の選手をサイドに引きつけて、パスコースを確保する狙いがあると思います。
バルセロナのディフェンスラインでのパス回しは、前線で数的優位を作り、攻撃の起点となる目的があります。
私には最初は、このパス回しが漠然としているように見えていました。
しかし、バルセロナのパス回しの目的が分かると、前線の選手はパスを引き出すために流動的な動きをしていることも分かり、サッカー観戦がよりおもしろいものになりました。
西川周作の動き
日本では浦和レッズのゴールキーパー西川周作の動きが非常におもしろいです。
西川は足元のボールさばきに長けたゴールキーパーです。
浦和レッズは、ディフェンスラインでボールを回すことがありますが、その中に西川も入ってボールを動かしています。
浦和レッズはディフェンスがボールをもったとき、相手のチームがボールを奪うためにプレッシングかけてきたとしても余裕があるように見えます。
それは、西川にバックパスをすれば、ボールをキープできるからでしょう。
そして、プレッシングをかけてきた相手のスペースがが空くことで、そこには数的優位をつくることができて、攻撃を有利に進めることができます。
また、西川のとろこまでボールを追ってプレッシングをかけ続ければ、相手の選手はものすごく体力を消耗してしまいます。
西川はこれもうまく交わすことができています。
西川のように足元の技術があり、パス回しに加わることができれば、ビルドアップがスムーズにできるようになるんだと思います。
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