レアル・マドリードのサイドバックの動きについてみていきたいと思います。
バルセロナのサイドバックと比べると対応の仕方にも違いがあっておもしろいです
レアル・マドリードのサイドバック【2015-16】
2015-16シーズンのレアル・マドリードのサイドバックは、マルセロ、ダニーロ、ナチョ、カルバハル。
左サイドバックのマルセロはほとんどの試合で起用され、ダニーロ、ナチョ、カルバハルは試合によって使われたり使われなかったりしています。
ダニーロが左サイドバックに入ったときは攻撃でものすごい勢いがあり、マドリーのサイドバックの中でも特別な動きをしています。
こちらの記事でダニーロの動きについて書いているので、ここでは、ダニーロとナチョの動きについて触れていきたいと思います。
リーガエスパニョーラ第11節セビージャvsレアル・マドリード
この試合には右サイドバックにダニーロ、左サイドバックにナチョがスタメンで起用されフル出場しました。
マドリーは前線にベイル、クリスティアーノ・ロナウド、イスコがいる4-3-3。
バルセロナとフォーメーションは似ていますが、マドリーの両サイドバックの動きには違いがあります。
それが分かったのが、攻撃から守備に変わるときの対応でした。
攻撃から守備に変わるときの対応
前半13分、ベイルのシュートをセビージャのGKセルジオ・リコがキャッチし、左サイドにいたベノワ・トレムリナスへパス。
トレムリナスはドリブルでボールを前に運びましたが、対峙するダニーロはバックステップで下がりながら、自陣のポジションへ戻ろうとする動きがありました。
トレムニリナスはセンターラインを超えたあたりからコノプリャンカに縦パス。
これに対応したのがセンターバックのぺぺ。
ぺぺがサイドに流れたことで、スペースが空きましたが、そのスペースを埋めたのがダニーロ。
ぺぺがボールを奪うことができてまたマドリーの攻撃に移ることができ、ダニーロのいい動きでした。
逆サイドのナチョもセビージャの攻撃になったときには、相手のボールを奪うために激しくプレッシングにいくことはなく、素早く引いて守る傾向がありました。
マドリーのサイドバックは、攻撃から守備になったとき、リトリート(後退)して自分のゾーンに戻る動きがありました。
バルセロナの場合は、逆にカウンターを防ぐために素早くプレッシングしてボールを奪おうとしますが、これがマドリーとの違いだと思います。
守備から攻撃に変わるとき
マドリー陣内から攻撃を組み立てていくときは、両サイドバックはセンターライン付近まで上がってポジションをとっていました。
ダニーロもナチョも同じようにサイドラインいっぱいまで広がり、マドリーがセビージャ陣内までボールを運んだら、さらに前に進んでいました。
おもしろいのが、マドリーがセビージャ陣内でボールをキープしながらパスを回しているときです。
右サイド寄りにボールがあれば、ナチョな中の方に動きますが、モドリッチが中の方で再びボールをキープするとすぐにサイドラインいっぱいに広がるところでした。
これはナチョが広がることで、セビージャのディフェンスの意識をサイドに向けることができるし、さらには中にスペースをつくることができます。
ナチョはオーバーラップしてサイドからクロスを入れることは少ないんですが、こういう動きでマドリーが攻撃するためのスペースを作っているんです。
ダニーロは攻撃のときの動きがおもしろいです。
後半4分、ダニーロが右サイドでボールを受けてカジミーロとパス交換し、さらにベイルへのパス。
ダニーロはそのまま左前へと斜めに動き、ペナルティエリアの中に進入し、ボールが来るのを待つという動きもありました。
こんな動きでシュートにまで行くチャンスが他にもあったし、サイドバックがカットインしてフォワードのようなこともまでしていたんです。
結果は、3-1でセビージャが勝って、クラシコ前にマドリーは今シーズン初の黒星となりました。
でも、ナチョとダニーロの動きをメインにみることで、ボールをもっていないときの動きや守備のときにどんな動きをしているのかが分かってとてもおもしろかったです。